トキノ交差・トキノ交差原画展


©トキノ交差



「ヴァナキュラーな空間としての渋谷」


渋谷が持っているエネルギッシュで混沌とした様相は、現在の日本の有り様と密接にリンクしているように思え、高度成長期やバブル期、震災後の計画停電の様など、これほどダイレクトに時代の雰囲気を醸し出す街もないのかもしれないと思った。
そういった出来事が層のように折重なりできあがったのが渋谷の景観ではないだろうか。今まで幾度となくこの交差点を通り過ぎたはずだが一度として同じ顔を持っていたことがなかったように思える。

その上部に構えられている舞台装置としての4面ビジョンと谷地であるスクランブル交差点は多くのものが流れ込み、映り込む仕掛けとしてとてもユニークな存在であるように感じた。過去の写真を調べていくとスクランブル交差点として機能し始めたのは思っていたよりずっと最近のことで(おそらく高度成長の頃)、誰かがあの場所に×印のゼブラ柄を描いた瞬間から、あの場所は広場としての機能と物語が語られる舞台としての機能を持ち始めたのではと思いはじめた。あの×印は祝祭の場であり、騒乱の場として、スクランブル交差点ではなかった頃の記憶も含め、物語を量産し続ける強度を発揮しているような気がしている。

そこにのせる物語は人間の功罪を含めた遠大な歴史と生物的な衝動。それらを俯瞰して見続けてきた土地そのものの表情ではなかったかと思い今回の作品の基本路線とし、それらの物語を一人の女性が宙返りしている寸刻の間に表現しようと思った。たった1分だが、描かれている歴史は1万年!現状の景観さえ過渡期の表情であり、グローバル化する波の中で渋谷という街が個性を失うのか、表情を保ち続けるのか、この先も変わり続ける表情の一端を捉えられれば。



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監督 ・絵コンテ・演出・キャラクターデザイン 作画監督・美術監督 : 四宮義俊

クリエイティブディレクター : 松 宏彰

アニメーションプロデューサー : 松尾亮一郎

作画・エフェクトデザイン : 南方研究所 四宮義俊

助監督 : 三宅寛治

動画 : 長洞万起子 永田美雪

背景  : 二嶋隆文 南方研究所 四宮義俊

色彩設計 : 千葉絵美 四宮義俊
色指定 : 小宮ひかり

仕上  : スタジオエル フウシオスタジオ

撮影 : 田村紗絵 四宮義俊
3DCG : 岸これみ
撮影マネージャー : 熊澤祐哉

編集 : 神宮司由美

VFX : 吉野耕平

アニメーション制作  : CLAP

音楽 : NETWORKS

レコーディングスタジオ : STUDIO CRUSOE
レコーディングミキサー : 昆野隆一郎

音響効果 : 井筒康仁
音響制作 : 映像通信
ミキサー : 大澤竜哉

キャスト : やね

衣装提供 : chloma

実写撮影 : 野村 徹

広告・宣伝 : 平井真貴

協力 : 皆川真紀 小林 智 武井風太 西川真剛 山本 拓 大倉佳苗

制作進行 : 山下皇介

ラインプロデューサー : 佐藤裕武

プロデューサー : 渡邉雅史

エグゼクティブプロデューサー : 平田昌吾

制作プロダクション : 祭(MAZRI Inc.)









上映風景






上映風景






メインビジュアル






劇中カット 渋谷「現代」






劇中カット 渋谷「太古」






劇中カット 渋谷「近世」





劇中カット 渋谷「東京大空襲」








劇中カット 渋谷「高度成長」






劇中カット 渋谷「実写カット」



各時代ごとに象徴的な渋谷のイメージを抜き出して使用している。
太古の渋谷は森だったと仮定し、その後人間が生活と祝祭の舞台として森を切り開いていった過程をドラスティックに描いた。










劇中カット






劇中カット


映像内で複数回登場するタンポポとその綿毛は土地の持っている生命力と繰り返される歴史や人間の営み、スクラップアンドビルドの象徴として登場させている。








撮影風景






実写カット





実写カット



実写パート作成のため実際の渋谷スクランブル交差点で撮影を行った。実写撮影はMVやPVの撮影経験が豊富な祭(MAZRI Inc.)。アニメパートの制作はアニメーション制作会社CLAP。得意分野を活かすことで実写とアニメのシームレスな表現が可能となった。












■『トキノ交差原画展』





 






2018年4月の放映開始とともに『トキノ交差』の制作資料、原画を中心とした展覧会を開催するためクラウドファンディングを活用し資金を募った。結果としてクラウドファンディングは118%という達成率で成功を収め 同年9月に展覧会を行った。展覧会会場は『トキノ交差』の舞台でもある渋谷周辺に絞り込み候補地をあげていき、最終的には渋谷ヒカリエ8階Creative Lounge MOVで行うことが決まった。

『トキノ交差」原画のためのクラウドファンディング[Readyfor(レディーフォー)]

『トキノ交差』メイキングレポート

会場には原画のほか、11分に編集したトキノ交差資料映像、『chloma』制作の本編衣装。複製閲覧用原画。展覧会用四宮書き下ろし作品。クラウドファンディング支援者用のリターン品、トキノ交差オフィシャルガイドブック『NOTE』(閲覧用非売品)なども展示した。物販として『トキノ交差』オフィシャル缶バッチ3種類や2017年四宮義俊個展『顕現ソッキ』作品カタログの販売も行った、また会期中、計二日間クラウドファンディング支援者向けリターンとして用意されたトークイベントも行った。


会期2018年9月12日(水)〜9月23日(日)11:00-20:00

※最終日のみ17:00まで

会場 渋谷ヒカリエ8階Creative Lounge MOV aiiima 2(ショーケース「アイーーーマ2」)

渋谷ヒカリエ

〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1

PUBLIC TRANSPORTATION
公共交通機関からのアクセス

東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」15番出口と直結。
JR線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」と2F連絡通路で直結。




「クラウドファンディング支援者」

苺りなはむ

渡邉 雅史

川尻良太・麻希
三浦康幸
細沼 里奈
森さゆり
フクヒロ
松尾奈実

くまざわしんご
中村美興
阿部雅人
田中匠
鈴木優貴
こたに なみ
高橋淳一
松尾 圭祐
岩元辰郎
anonymous黒田健
Fumiya Sakai
佐々木
バス謎制作連合
藤澤 和也
大堀 宏樹
段上 真
ナカヤマヒデキ
近藤克哉
ゆかめ
DONMAX
タケナカリー
宮崎 雅文
アオネク
いとめ
緋色みらい
反抗期無神経
nima
アオちゃん
あや
小林 勇弥
佐賀大学OB
くにたけ
ゆーと
カルロス・カネタ
長谷川成明
やや
ファルラボ
かず【綿毛の民】
西堀潤
Spice & Dining KALA
藤津亮太
どりちゃん
松浦 妙子
奥村佑子
北村慎一郎
虻川実生
山中俊治
岡本江吏香







絵コンテ


絵コンテ



絵コンテ






キャラ表






キャラ表








レイアウト原図








3D空間上に配置された渋谷スクランブル交差点






美術背景






完成映像






『chloma』制作による本編衣装






クラウドファンディング、リターン品書き下ろし作品






展覧会用書き下ろし作品







トキノ交差公式ガイドブック『NOTE』






展覧会用フライヤー