文間和紙に描く 20人の掛け軸展
─和紙に向き合う・和紙を知る─
現在開催中の展示で恐縮ですが、お知らせさせていただきます。
今回は掛け軸の裂選びから表具まで作り方を指導していただき、完成させた掛軸二本を展示させていただいております。
展示では日本画出身の作家だけではなく、いろいろな方が参加されています。
お時間ございましたら、よろしくお願い致します。
【開催日】
平成26年6月1日(日)~7月27日(日) 9:00~17:00
(日曜休館*6/1、6/15、7/27は開館)
【場所】
越後門出和紙高志の生紙工房ギャラリー
〒945-1513 新潟県柏崎市高柳町門出
【TEL】0257-31-9130
【出展作家】
磯部光太郎・大山龍顕・織田茂雄・小長谷謙二・
小長谷有子・小林由芽・四宮義俊・立川音治・
シヤングリラセーコー・Dafna Avidan (ダフナ・アヴィダン)・
中村恭子・中村寿生・羽川幸一・藤森詔子・前回斉子・
正木浩司・宮本日沙史・安田暁・山口聡ー・若山卓
【ご挨拶】
茨城県利根町文間で今回の展覧会のまとめ役をされている、中村寿生さんたちが育て上げた楮を自ら白皮加工して当工房に届けられた。早々、紙に漉き上げ「文間和紙」と名付け、その紙に描かれた20名の作品展となりました。
ちょうど、小生がお訪ねした1月25日は、彼らの拠点である「アートネ・アートスタジオ」という、木造の旧校舎で作品の裏打ち作業を作家でもあり保存修復を手掛ける大山龍顕さんが指導されていた。
実は現在、日本画に純楮紙を使うことは稀で麻紙が使われている。驚いたことに殆どの大学で日本画を教わる学生がそもそも楮紙を教材として使用したこともないというのが一般的であるようだった。
そこで15年ほど前から中村寿生さんや磯部光太郎さんたちのグループと楮紙を使った試作や展覧会を催し、平成22年9月には彼らを指導された関 出先生(東京芸術大学教授)にもご協力頂き、当生紙ギャラリーで日本画展を催させていただいた。
当初、自分としては日本画として使い勝手がよく、多様な表現が可能な紙を研究しなければと考えていたのですが、紙屋が作家に合わせる紙ではなく、素 材そのものを活かした必然の紙に作る。作家はその紙を生かした作品に使いこなすことの方がより大切であるとの双方の認識に固まっていった。
今回は、和紙が最も和紙らしい使い方でもある掛軸としての展示会です。初めて挑戦する作家の方もおられ、大変楽しみな展覧会です。どうぞ、ご覧いただきますようよろしくお願いいたします。
2014年5月 小林康生